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クラスマッチの応援旗

中学に入って初めてクラスマッチのことだ。

小学生の運動会とは異なって、生徒の自主的な企画などが重んじられる傾向にあり、クラスマッチの応援についてもそうだった。

全校生徒が紅白に二分された小学校の頃と違って、学年にある他のクラス全てが「敵」だった。



今日のように、「怪我するといけないから…」とか「順位をつける、優劣を明らかにするのは、平等の精神に反する」などと、柔なことを言っている時代ではなかったから、クラスマッチの直前は仲間の大半が戦々恐々としていた記憶だ。



だから、当然に応援にも熱がこもった。

それを象徴するのが「応援旗」だった。

だれに言われるものでもなく、自然発生的に応援旗の企画が持ち上がり、他のクラスには内緒にして秘密裏に製作された。今日のように、具合のいいペイントの材料が手に入り難かったから、色別の油性フェルトペンを使った。

旗の生地は、使い古された木綿のシーツだった。

竹竿にくくり付けて、できあがった。



さて、クラス団結の象徴が翩翻と初めてのクラスマッチを迎えた。

空は生憎の曇天だったが、応援旗は確かに輝いていたと思う。

当のクラスマッチの結果たる勝敗や順位に関する記憶は薄れてしまったが、その応援旗に描かれたツルの図柄や製作風景のことはよく覚えている。

今となっては懐かしい思い出だ。