昭和天皇行啓にて
幼稚園児だったから、記憶がずいぶん薄れているのだが、私の住んでいた街を昭和天皇が通る(通るだけ)というので、旗振りに町内の幼稚園児、小学生、ほか多数、駆りだされた記憶がある。
前日あたり先生が引率して場所の下見もしたんじゃなかったかなぁ。動因場所が幼稚園から程近い場所だったからだと思うけど。
「合図あったら、旗を振るんですよ」
と先生。そして合図で旗を振る練習。肝心の旗はないため、園児な私、いまいち旗の感覚が掴めなかった。天皇陛下がテレビでしか見ることのできない人なのはわかっていたが、何せ、園児なので、テレビに出る人など天皇陛下でなくても、こんな田舎にくることなどないことだったので、大人の人たちは準備で右往左往だったんだとうとは思う。
でも私は、支給されない旗を振る練習の不思議さに首をかしげるだけでよかったんだから、子供ってやっぱいいよな。
当日、現地で渡された旗に(確かに当日配るのが一番安心だ、綺麗だし忘れたりする子もでないわけだしね)、テレビでは見た光景をこれから自分たちがやるのかと旗を見ながら思ったものだ。
昭和天皇の乗った車はあっという間に通り過ぎたらしい。
園児なので、先生の合図に集中していたし、旗振り始めたら、旗振るのに必死でそれに集中してたから、気づいたら、もう通った後だったから。
何も覚えていないけれど、ピシッとした紙の旗がパタパタといい音をたてるので、その音が今でも耳から離れないでいる。